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「こどものときからね、ずっとずっとそうなんだよね。だから、お母さんにはもう十年ぐらい会ってない」
「マジか」
「やっぱり変なのかな。こういうのって……。ぼく、ほかの家のことってよくわかんなくって……」
「俺ん家もあんまフツーじゃねぇけど、お前の両親はかなりどうかしてると思うぞ」
「そうなんだ」
制服のサイズが合っていないのも、たいした栄養を摂っていなさそうなのも、箸をちゃんと持てないのも、鶴見自身の落ち度だと思っていた。
でも、本当は親の目がほとんど無かったからなのだろう。
親は無くても子は育つ──なんてことわざがあるが、あまりにも放置しすぎだ。
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