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洗濯を終え、シャワーを浴びて、リビングに戻ったときには一時間ほど経っていただろうか。
窓の外はとっぷりと日が暮れていた。
天井からはオレンジ色の光が降り注ぐものの、寝室のナツメ球みたいな弱々しい光で心もとない。
ベッドの真ん中に、鶴見が巻いていた毛布が丸まっていた。
「おい、鶴見」
返事はなかった。ぴくりともしない。待ちすぎて寝ちまったのだろう。
「俺、そろそろ帰るからな」
泣いて引き止められたらどうなるか分からない。
部屋の主が寝てくれたのは、俺にとって好都合でしかなかった。
「また明日……、学校でな」
このセキュリティが厳重そうなマンションから自力で外に出られるのかという心配より、鶴見に泣かれて帰るに帰れなくなる状況のほうが俺にとって恐怖だったらしい。
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