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◆ ◆ ◆
鶴見がいつまでたっても目を覚まさないので、『先行ってるぞ』のメモとおにぎり二つを残し、部屋を出る。
玄関先にカードキーが二枚あったので、一枚拝借してきた。だが、よく考えるとこれはおそらく──。
「合鍵、か……」
これをさりげなく俺に渡すために、あいつはわざと起きなかったのかもしれない。
──まんまと、やられた。
──見事に、ハメられた。
舌打ちをする度、『いろんな意味でね!』とにっこり笑いかけてくる鶴見の顔が目に浮かぶ。
「ちくしょう」
おまけに、半強制的に脱がされた制服はシワだらけだ。
とくにシャツがひどい。襟が反り返って、あらぬ方向に折れたあとがくっきり残っている。
アイロンをかけたくてウズウズする。
今すぐうちに帰りたいが、わざわざアイロンのためだけに帰るのは面倒すぎる。
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