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ホッとしたのもつかの間、
──『きのうはおれらもおたのしみでした!』
意味深なメッセージと一緒に、宅配ピザと唐揚げ、フライドポテト、ポップコーン、それからコーラがテーブルいっぱいにならんでいる写真が届いた。
まるでアメリカ人がサッカー観戦するときみたいな夕飯は、俺なら絶対に許さない。
口うるさい兄貴がいないトクベツな一夜を喜び、イキイキと羽をのばしている様がよく分かる写真だった。
「……心配して損した」
つい二年ぐらい前までは、俺の帰りがちょっと遅くなると何度も何度も『いつ帰ってくるの?』と電話をよこしていたのに。
まるでツバメのヒナみたいに、口を開けてピーピー鳴くばかりの弟たちだったのに──。
成長は、残酷だ。
今夜もいっそ、鶴見の部屋に泊まって、制服をもっとシワだらけにしてしまおうか──。
自暴自棄になりながらずんずんと歩いているうち、学校に着いてしまった。
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