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「ま。しょーがねぇか。凛也ちゃんもお年頃ってことか。とりあえず卒業オメデト」
さっきまでの鬼畜っぷりが一変、健太は急にニコニコし始めた。頬にできるのは罪深いえくぼ。子供のような無邪気さが俺をさらに追いつめていく。
うずくまる俺の脇に腕を回した健太は「ごめんごめん」と、抱き起してくれた。
だが、俺が完全に立ち上がっても腕を放そうとしない。体が重なり合うほどみっちり密着したまま、向かい合う。
「なあ、凛也」
久しぶりに至近距離で見つめ合って、ドキリとした。心臓を掴まれたかのように。
ずっとずっと下に感じていた視線が、同じ高さで合う。
ガキの頃はずっと俺のほうが背が高かった。
でも、最近、俺は背が伸びなくなって、なのに健太の成長はとまらない。
きっと、あともう少しで追い越されてしまう──。
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