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こみ上げる文句を奥歯で噛み潰していると、鶴見はふふふっと笑い出した。
「ねーねー、なんでずっと寝たふりしてるの? おきてるんでしょ?」
「……っ!」
「凛くんったら寝たふりへたっぴ」
「うるせぇ」
閉じていた目を開き、鶴見を睨みつけようとした瞬間、おもわず息を飲んだ。
まばゆい光のなかで見つめ合うと、鶴見はおどろくほど無垢で清らかだった。ボサボサな髪も、シワだらけでブカブカの制服も、ありのままで何も取り繕うことがない彼自身を表していた。
「凛くん」
俺だけを見つめている瞳は、愛していると語りかけてくる。
俺だけを愛していると──。
鶴見は俺の耳元に手をついて覆いかぶさると、迷わずに顔を近づけてくる。何も知らず、こんな俺にキスしようと──。
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