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薄い壁のむこうからは、弟たちがなにか話して笑っている声が聞こえる。それから、食器のこすれる音も。
いつもならバカみたいにギャハギャハと騒いでいるのに、今日はいやに静かだ。テレビが面白くないのか、会話が盛り上がっていないのか。
いや、もしかしたら眠ったままの俺に気をつかっているのかもしれない。
──「ちゃんとしなさい、凛也」
暗闇から聞こえた母さんの声に無意識に返事をしていた。
「……分かってます」
でも、俺には到底できそうもない。
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