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292 一つのウソを二人分
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◆ ◆ ◆
一週間後が過ぎた。
満たされているはずなのに、なにかが足りないまま、七日間も過ぎてしまった。
健太は俺との関係をひた隠しにしている。
献身的だったカノジョと別れ、長年親友だった同性と付き合い始めただなんて、エイプリルフールの嘘にしたってたちが悪い。
健太はいまもカノジョと付き合っている設定をかたくなに守っている。
当然、昼休みには福井、河野、小橋のカノジョ無し三人組が見守るなか、弁当箱を開ける。
「んー。やっぱなんか変わったよな」
「アートセンスがないっつーか。弁当として完璧すぎていじるところがねーな」
「なー、健太! 正直に吐いちまえよ。ぜってぇオンナ変えたろ」
先週までは、ねたみ、うらやみ、やっかみの三拍子で問い詰めていた三人も、さすがに冷静だった。何かが変わったことに勘付いている。
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