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「あのー、凛くん……」
弱々しくて、たよりなくて、水音でかき消されてしまいそうな声だ。簡単に無視ができる。
こいつと話したってロクなことにならない。俺は聞こえないフリをつらぬく。
なのに鶴見は何もせずに突っ立ったまま、じっと俺を見ている。三秒に一回は下のほうをチラ見しながらも、顔を見上げてくるときはあくまで真剣。
とはいえ、目の下は青黒いクマだらけ。白目は血走っている。おそらく、昨夜もひとりで悶々と眠れずにいたんだろう。そんな欲の塊に熱心に見つめられるのは、気分が悪い。
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