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「誰が健太さんのおべんとうを作ってるの? あいつの大好物ばっかり入ったおべんとう、凛くん以外にだれがつくれるの?」
「考えすぎだ」
「そうかもしれないね。ぼく、すごく頭悪いけど、凛くんのことをかんがえるときだけは本気になっちゃうから……」
「鶴見」
どんな言い訳もウソも通用しないのは明らかだった。
余計なことばを重ねたところで無駄なこと。自分自身が苦しくなる一方だと分かっている。このまま鶴見に激しく嫉妬され、とがめられるのがオチ。
素直に認めた方がいいだろう。そう覚悟したときだった。
「べつに、いいよ」
「は?」
「凛くんがそうしたいのなら、ぼくはそれでも」
ズボンをまさぐっていた手が、するり、と引き抜かれる。
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