アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
314
-
「……ぼく、──ッ!」
次の瞬間、俺は鶴見の頬をぶった。平手打ちした。
たどたどしいことばの断片を待っていられなくて、全部さえぎってしまいたくて、叩いた。
弾けるような痛みと痺れを手のひらに感じると、俺のなかに答えが一つ降ってきた。
──鶴見さえ俺を嫌ってくれたら、すべてが解決する。
歯車が狂いだしたのは、こいつに告白された時からだ。
それまでの俺はずっとずっとちゃんとしていた。
強くて、頼りがいがあって、すべてを完璧にこなす。
そんな“理想”通りの自分をつらぬいていた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
314 / 631