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頬を打ち、その頭が左に傾いたところで、すかさず右頬を殴る。
こんなの間違ってると分かっていながら、とめられない。細い首がいまにも折れてしまいそうに翻弄されている。それでも力任せに殴りつけていく。何度も何度も。
「なあ、お前はこんな俺のどこがいいんだ!」
回数を重ねるごとにコントロールはめちゃくちゃで、どこに当たっているのかも分からなくなった。
「いじめられてるのを助けたからか? 面倒見てやったからか? そんなのお前以外にもやってんだぞ。ただの偽善でやってるだけなんだぞ!?」
理不尽な暴力によって歪んでいく顔を直視なんてできなかった。
目を伏せ、ただ祈った。
──睨んでくれ、憎んでくれ、泣いてくれ。
──頼むから俺を嫌ってくれ。
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