アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
320
-
「……お前は、誤解してんだ。俺だって同じだぞ。結局はお前のことをいじめてる乱暴なヤツらと同じ──」
喉をおさえつけられたままだというのに、鶴見はしきりに首を横に振ろうとする。
その弾みで、なまぬるいものが、ひたっ、ひたっ、と落ちた。
「……っ、り……」
半開きの唇から垂れているのは、唾液まじりの真っ赤な血液だった。
俺の手の甲へと落ちたそれは、ゆっくりと時間をかけて指の間へと流れていく。
「り……、くん……は……ちがう……よ……」
「──違わねぇ!!」
襟首をさらに強く掴み上げたとき、初めて鶴見の顔を直視した。
そして、自分がやったことの残忍さを思い知った。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
320 / 631