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「……ちが、う……。ちがうよ……」
鶴見の顔はもはや取り返しがつかないぐらいに腫れあがっていた。
左目の上と下は火傷のように赤く腫れ、まぶたも頬も原形が分からないほど膨張し、両鼻からは黒に近い体液がしたたっている。
「りん、くん……すき……、りんくんは……やさしいよ……」
開いたままの唇は亀裂が分かるほどくっきりと縦に割れていた。
「……、ぼくを、きらいに、ならないで……」
ぱくぱくと動かそうとするほど、傷口がさらに開いていく。
「なに言ってんだ」
「りんくん、すき……、りんくんは、やさしいから……」
痛々しい赤と黒のなか、俺をおだやかに見つめる瞳の奥の輝きだけが怖かった。
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