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「もう……一発、殴られてぇのか、お前はっ……」
「だいすき」
「……クッ」
すでに右の手も左も限界だった。あと一発殴ったら、指の関節がバラバラに壊れてしまいそうだった。
なのに満身創痍の鶴見の両手は、おどろくほどの力強さで俺の頬を包み込んで、離さない。
「凛くん、だいすき……」
「分かったって言ってんのが聞こえねぇのかっ! もうやめてくれよっ!」
鶴見の鉄臭い胸に顔をうずめ、俺は自らの敗北を認めた。
散々拒んでいた自らの涙を受け入れ、嗚咽も、鼻水も、だらしなく垂れ流した。
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