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333 内と外
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◆ ◆ ◆
二週間も過ぎてしまうと、出席簿の鶴見の名前は必ず抜かされるようになった。
存在をいちいち確認するまでもなく、いないのが当たり前の存在になったのだ。
世界じゃ人間がひとりいなくなることは一大事で、ニュースとして扱われる。
なのに、学校のなかでは珍しいことではない。
昨日までいたはずの存在が今日には消えている。
鶴見に限ったことじゃない。
どこのクラスだって、毎年、一人ぐらいは教室に来なくなるやつがいる。
みんなそれを理解している。
だから、鶴見は一体どうしたのかとわざわざウワサする人間はいなかった。
まるで口にしてはいけないと禁じられているように振る舞う。
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