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「なっ……!?」
正面玄関に居合わせた数人がぴたりと動きをとめ、俺と健太を交互に見た。
差別。怪訝。軽蔑。奇異。いずれの視線も、教室で居場所がなさそうなじっとりとした瞳から発せられていた。クラスメートではなかったのは偶然にして幸いなこと。
「ばかっ!」
俺は慌てて引き返し、イタズラっぽい笑みを浮かべた健太を壁際に追いやった。
「他のやつらに聞かれるだろうが!」
「別にいいだろ聞かれたって。オレたちホントに付き合ってんだからさあ」
健太は確信的にニヤニヤしながら、俺以外の耳にも届くようにわざとらしく声量を上げ続ける。
だが、居合わせたやつらはあからさまに反応してくることはなかった。
面倒事には関わり合いになりたくないと言いたげに無視を貫き、それぞれの日常へと戻っていく。
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