アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
356
-
「なんで、急に走ってんだよ! ばかだろっ……」
呼吸を整えながら文句をぶつけても、聞こえるのは耳の横の鼓動だけ。
健太は短い眉をぎゅっとしかめ、黙ったままだった。しばらくしてやっと口を開いたかと思えば、
「ああっ……、むかつく……、マジでキモいし……」と、悪口。
「あ? なに?」
「なあ。オレのことチラチラ見ながら顔赤らめてギクシャクしてたときの凛也ってさ、すっげぇキモくてウザいの。知ってた?」
酸欠気味の体をふらふら引きずって、健太は教室の中心に立った。靴と床が強く擦れ合って舌打ちのような短い音を立てる。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
356 / 631