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頬張ったそばからホロホロとほどけていく米粒は、俺の歯にすり潰され、舌と絡み合うことを望んでいるようだった。
あまりに夢中で食べ過ぎて、具になにが入っていたのか記憶が無い。
いまさらになって、昨日まで食べずに放置してしまったおにぎり達が惜しくなる。
(……やばい……、食べたい。もっと、もっと……)
灰色に鈍っていた味覚と食欲が、小さなおにぎり一つでむくむくと復活した。
俺の欲望にこたえるかのように、次の日も、また次の日も、おにぎりは届き続けた。
次の日も、また次の日も、俺はそれを頬張り、大切に噛み締めた。
具は、唐揚げ、シューマイ。
コンビニでも見かけたことがない変わり種ばかり。
おにぎりとしてはかなりの邪道だと思う。なのにうまい。
また次の日は、ミートボール。
まるで食べきれなかった冷凍食品を埋め込んでいるみたいだ──。
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