アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
412
-
「あのさ、そろそろ戻ってこれねぇか。凛也」
「は? どこに?」
「いつまで一人でしんみりしてんだって言ってんの。河野たちもお前と仲直りしたいって思ってんだぞ」
「仲直りってなんだ。気持ち悪ぃ。別にケンカしたわけじゃねぇ」
俺と健太たちを隔てているのは、ただの“気まずさ”だ。
どうしたら元に戻れるのかお互いによく分からない。
健太はその橋渡しをしようとしているらしい。かなり戸惑いながら。似合いもしない金髪をかきむしりながら。
「まー、そうだけど。前みたいにさ……」
「お前らのバカ騒ぎに巻き込まれなくて、俺は静かに過ごしてるんだが」
「でも、毎日ずっとひとりじゃ寂しくねぇ?」
俺の視線はごく自然に窓のむこうへと流れていた。きっと今、この瞬間も鶴見は俺を見ている。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
412 / 631