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「ごめんな。お前を殴っちまってごめんな。ずっと謝りたかった。痛かったよな……、辛かったろ……ひとりで、我慢して、えらかったな……」
鶴見は肯定を拒むように首を振った。自分を罰するように強く、強く。
「ぼくだって、ごめんなさいっ! 殴らなきゃいけなくなるほど、ぼ、ぼくが、ダメなやつだったってことだから……。凛くんにたくさん嫌な思いをさせちゃったってことだから……ごめんなさい……」
「お前がなんで謝ってんだよ。バカか」
「ずっと、ずっと、謝りたかった……。でも、ぼくなんかが、凛くんのそばにいちゃいけないんだって思って……」
「んなこと考えんなよ。バカ」
「凛くんのためだから! おにぎりも漢字も本気で練習して、修行して、ぜんぶ凛くんのためだからつづけられた! ちゃんとしたニンゲンになれたら凛くんに謝ろうって、ずっとずっと決めてた。なのに、ぼく、まだ……ぜんぜん……なにもできてなくてっ……」
「もう十分だ」
「いやだ! こんなんじゃダメだからっ!」
鶴見は喉の奥からひときわ甲高い音を出して鳴き喚く。
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