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──いやだ。やめろ。気持ち悪い。
ねっとりと吸い付くような手つきは、暴力とは違う欲望を秘めているようだった。
得体の知れぬ恐怖に俺の手足はみるみるうちに冷えていく。なのに、頭には血が上ってなにも考えられなくなっていく。
「──ひゃっ!」
なにか硬いものが肉の上にぐっと押し当てられる。
指の先のようにも感じたそれは温度が無かった。
尖端はわずかに湿っている。
まるで肌に刻むようにぐりぐりと擦りつけられるものがペン先だと気づいたのはしばらく経ってからだった。
「なに、してんだっ……、変態……!」
どんなことが書かれているのか、当然、俺には分からない。
罵声をあびせては相手の思惑通りだと分かっていながらも、未知の恐怖に我慢がならなかった。
返事の代わりに聞こえたのはスマホカメラのシャッター音。
耳をつんざくようなそれに紛れて、下品な引きつり笑いがした。
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