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「本当にごめんなさい! ごめんなさいっ、きらいにならないで……」
「しる」
「へ?」
「ココ。凛じゃなくて、汁になってる」
袋を指で突くように指摘してやると、鶴見はなにを言われているのか分からないと俺を見つめたまま目をぱちぱちさせた。
汁の字を塗りつぶすように「ココ!」と何度指摘しても同じ。
そんな不毛なやりとりを何度も繰り返しているうちに、ドアと壁に挟まれたままの鶴見の腹からグーーーッと音が鳴った。
「お前、腹減ってるのか?」
「いえ! へってませんっ!」
と、言った彼の意思に反するようにトドメの腹の音が鳴る。
考えてみれば昼休みに俺が邪魔したせいでコイツはほとんど何も食えなかったのかもしれない。
こっちは頼んでもいないが、わざわざお土産を買ってお詫びに来てくれた礼もある。
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