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漢字といい、箸といい、どうしてコイツはこんなにもダメなんだ。
親の教育がてんでなってない。
ならば、かわりにコイツを正しい道にみちびく存在が必要になるだろう──。
あらぬ衝動を必死におさえながら、無表情かつ無返事でスープをすする。
「凛くんの手料理食べられるなんて夢みたいだなぁ。ぼくまだ夢見てるのかも……だといいなぁ……ふふふっ……」
俺としてもこれは夢であってほしい。
いつも学校で会う鶴見が、我が家という日常に溶けこんでいる違和感で頭が混乱していた。
胸のなかで渦巻いている“まっとうな人間に矯正したい”という衝動もどうかなにかの間違いであってほしいぐらいだ。
「ところで凛くん、ぼくたちいま二人っきりだね。……んふふふ……」
彼の対面に座ってしまったことを深く後悔していた。
隣の席であれば、箸の持ち方なんて気にもとめなかったろうに。
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