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「なぁ。良いんだろ、鶴見と」
健太の口から鶴見の名が発せられる度、新たな痛みが胸に刺し込まれていく。
うずく。昨日、何度も何度も爪を立てられ、噛み付かれ、果てるほどの快感を覚えさせられたあたりがうずく。膿んだようにズクズクと──。
「バカ言うな! あんな根暗と俺が仲良いわけないだろ!」
「しらばっくれんなって。……オレ、昨日行ったんですけど、指導室」
「はっ」
「鶴見と、誰かの声が聞こえた」
痛みをはらんだ左胸のさらに奥──心臓の鼓動が一気に強くなった。
本当に込み上げるのは膿ではなく、予感。
まさかと思った。
それを言い当てられることは、俺にとって終わりを意味する。今までずっと秘めてきた初恋の終わりを──。
「あんな声出すんだな……、凛也も」
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