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健太が帰ってしまうと、教室に残っているのは俺だけになった。
机に座り、改めて窓の外に目をやる。ひときわ高い例のマンションのてっぺんを見つめる。
俺の目は望遠鏡じゃない。どんなに頑張っても、鶴見の姿を見ることはできない。
それでも、無意識のうちに“二人きりだな”と唇が動いていた。
触れることも、言葉を交わすこともできない。
なのに、鶴見の存在をハッキリと感じる。
できることなら帰りたくない。
ずっと二人きりでいたい。
もし、このまま俺が朝までここにいたら、鶴見はどうするのだろう。新しいおにぎりを握りしめながら、オロオロと迷うだろうか。
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