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僕と約束。
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僕と霧咲君は学校を出て、最寄りの駅へと向かっていた。
「真白はさ、俺以外に友達がいたのっていつ?」
霧咲君は、僕のことをどう見ているんだ。
「....僕に...いたと思えますか....?」
「あはは! 思えないなぁ。」
そこまでストレートに言われると、傷つく。
「じゃぁ...霧咲君以外に..友達作っても良いんですか...?」
少しでも霧咲君に報復しようと試みる。
「だぁ〜め! 真白には今のままでいて欲しいんだ。」
「.....どういうことですか...?」
彼の言葉を理解できないのは、何度目だろうか。
「俺ねぇ、誰の色にも染まってない真白が好きなんだ。」
ますます意味がわからない。
そんな僕のことを気にすることなく、彼は話を続ける。
「初めてあのクラスに入った時、
話してる人とか、隠れて携帯弄ってる人、寝てる人、
そんな人がいる中で真白だけは、
僕を真っ直ぐに見てくれたんだ。」
「休み時間も誰とも話さずに、読書したり、
外を眺めてたりしててさ。
そんな姿を見たら、今まで俺が
病気のことを隠して頑張ってしてきた人付き合いって、
なんだったんだろうって思ったんだよね。」
霧咲君は僕のことを美化しすぎる面がある。
君を見ていたのは、自分と違うものに驚いていただけ。
人と話さないのは、友達がいないだけ。
全ては僕の呪いのせい。
それをいくら綺麗に言っても虚しくなるだけだ。
「...霧咲君はどうして...
僕のことを美化して言うんですか.........?」
意を決して尋ねる。
「美化? そんなことないさ。
皆が気づかないだけで、
姿も心も、誰にも負けないくらい綺麗だよ。」
またこれだ。
彼は僕の言葉を理解しているのだろうか。
「それよりもさ、真白。明日空いてる?」
霧咲君はいきなり話題を変える。
明日は土曜日だ。
「...空いてるけど....どうして.....?」
「明日2人で遊びに行こうよ。」
「..........えっ.....?」
彼は今なんと言った?
僕なんかと遊びたいだなんて、正気の沙汰じゃない。
「どこ行きたい? 遊園地? 映画館? それ以外?」
返事もしていないのに、話が進んでいく。
「....僕と行っても...楽しくないですよ........。
.....周りの人に...変に注目されるし......、
..この病気のせいで...行けない所があるかもしれない....。」
ここまで言えば、彼は諦めてくれるだろうか。
「じゃぁ、屋内にいればいいね!
そうすると、ショッピングモールとかどう?」
僕は驚くを通り越して、呆れてしまう。
今回も、彼ではなく、僕が諦める番なのか。
「....じゃぁ......そこでいいです....。」
「おっけ〜!明日楽しみだな〜。」
何が楽しみなのだ。
「...えっと...僕服を余り持ってなくて.......
....変でも....笑わないでくださいね.....?」
ここで僕の心配を彼にぶつける。
「大丈夫だよ! 女の子じゃないし。
あっ、そうだ! 明日真白の服買おうよ!」
それは素直に助かる。
服のセンスがない僕より、
彼に選んで貰った方が百倍いい。
「じゃぁ、10時に◯◯駅に集合ね!」
「....はい..........。」
時間は過ぎていき、霧咲君と別れ、自宅に着く。
どうしよう。
遊ぶ約束をしてしまった。
彼に迷惑をかけてしまうのではないか。
明日のことをなのに、今緊張してしまう。
今日は眠れないかもしれない。
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