アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
15
-
誠side
感じちゃってる冴島、可愛かったなぁ〜、って違う!
いや、俺完全にアウト、これは嫌われた...
電車で顔が近くにあったからついキスしそうになったけど、全然嫌がる様子なかったし、ちょっと震えながら目を瞑ってあれは完全にキス待ちだったよ。
俺も悪いけど、抵抗しなかった冴島も冴島だ!
流石に抜く時は嫌がってたけど、俺が抱きしめただけで勃たせちゃった冴島が可愛くてついやってしまった。
頭では駄目だって警告音が鳴り響いていたけど、体はいうことを聞かなかった。
冴島を好きになる前は、男に欲情するやつなんて...、とか思ってた。けど、一緒のモノがついててもそれさえも愛おしくなる。
やっぱり冴島が好きだ。
やらかしてしまったけど、この気持ちを諦めることはできそうにない。
自転車を飛ばして冴島の家へ向かう。
絶対、怒ってるよね...。はぁ、欲を抑えきれなかった過去の自分が憎い。
インターホンを押してから、いつもはドアを開いて「おはよう」と言ってくれるが今日はドアを開くのがすごくゆっくりだった。
「おはよう」
「お、おはよ」
顔を俯かせてこちらを見ようとしない冴島は怯える小動物みたいで不覚にも可愛いと思ってしまう。
こんな風になってるのも少しの間だけで、すぐいつも通りに戻ると思っていた。
しかし、冴島は手強かった。
電車では俺に背を向けてるし、授業終わりの休憩とかも伏せて寝てるし、移動教室も先に移動してるし...。
嫌でも顔を合わすことになる昼休憩では話せるかと思ったけど、ずっと中山くんと話してる...。
冴島は俺に背を向けてグラウンドの方を眺めながら食べてる。
いつもは教室で食べていたが、今日は屋上で食べていた。なんでも、同じクラスじゃない結弦が“入りにくいねん、他クラスは!”と駄々をこねたからである。
「まこくん、どないしたん?」
焼きそばパンを両手に持ちながら、中山くんたちには聞こえないくらいの声量で結弦が心配そうに話しかけてくる。
「いや、なんでもない」
結弦は俺と冴島を交代で見て首をかしげている。
「なぁんか、変なことしたんとちゃう〜?
結衣ちゃんなんかよそよそしいし、いっこもまこくんの顔見ようとせんし」
最初の心配そうな感じはどこへ行ったんだ
「あ、図星なんかぁ?」と最後にニヤケ顔で言われた。
「...そうだよ、ちょっと嫌われたと思う」
「そんな気ぃ落とさんでも大丈夫や!」
へらへらとした笑顔で結弦が自信アリげに言ってくる。
「なんの根拠があってそんなこと言えるんだよ」
「ほんまに嫌いだったら、朝一緒に行くのも嫌がるやろし、昼も別で食べるとか言い出すやん。少なくとも俺はそうする!やから、安心せい!」
肩をばしばし叩かれすこしむせそうになったけど、結弦の言葉のおかげで少しネガティブさがどこかにいった気がした。
「よし、昼休憩もそろそろ終わりやし、教室帰ろ〜」
中へ入ろうとして動いた体をくんっ、と何かが引っ張る感覚。
「お弁当、美味しかった。...ありがと」
制服の裾を掴んでいる冴島は、この場で抱きしめたいほど可愛かった。
冴島のこういうところ、好きだなぁって思う。
頑なに顔を合わせたくない様子なのに、きちんとお礼を言ってくれる。そんな些細なことが俺の胸をぎゅっと締め付ける。
「うん、明日も美味しいの作るよ」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
15 / 36