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本田くんは、「そうなんだ」と一言漏らしそのまま階段を降りていった。
一方俺はというと、階段に座り込み何をするでもなくただじっとしていた。
「はぁ...俺...、岡本のこと...」
顔を下に俯かせて、目をつぶる。
なんだか、急に顔に熱が集まってきた気がする。下を向いているせいなのかもしれないけど、きっとそれとはまた違う熱さだ。
どくどく言ってる心臓の音。初めは何か俺がおかしくなったのかもと思っていたけど、よくよく思い出してみたら岡本といた時とか、岡本のことを考えてる時だけだった。
これが好きってやつなのか。
自覚して、ますます心臓が煩くなる。
「...好き......」
うわ言のようにポツリと呟いてみる。なんか気恥しいや。
熱が冷めるまでそのままでいようと思ったら、階段を上がってくる音がする。
「冴島っ、大丈夫?」
階段に座って俯いているから、気分が悪くなっていると勘違いされたのか、心配そうに近づいてくるのがわかった。
顔を少しあげると、そこには岡本がいつもと変わらない顔、ではなくて、少し焦ったような顔をして立っていた。
「立てるか?」
俺に手を差し伸べてくる岡本に胸が苦しくなって、すこし涙が滲んできたような、瞳が濡れているような感覚がある。
「好き...っ」
あれ、おれ...今なんて......言った...?
こちらに伸びている手をほとんど無意識で取っていて、ついでに口も勝手に動いていた。
勢いよく吐き出してしまったその言葉は相手に届いてないなんてことはなく、岡本の顔が徐々に赤くなるのが見てわかった。
握っている手をグイッと引っ張られて、岡本の胸へと飛び込む形になる。
力強く包容された俺の頭には、不快感なんて1つもなくてむしろもっと、もっと岡本に触れていたいと感じていた。
「さっき、なんて言った?俺に対して...?」
「ん、岡本が...好きって言ったっ」
勝手に口から出た“好き”という言葉を自分の意思で改めて言うのは恥ずかしくて少し早口になった。
「俺も、俺も冴島が...好きだ」
「俺も...」
抱きしめられているだけだった俺は、岡本の背に同じように腕をまわした。
少し腕が緩められて、互いの顔が見えるようにされる。
「キス、してもいい?」
「うん、してほしい...」
目を固く瞑り、岡本からのキスを待つ。
しかし、唇の感覚がしたのは俺の額。
「あれ?」と拍子抜けに思った俺が目を開くと、岡本は優しく微笑み唇同士を合わせてきた。
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