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初めてしたキスは、緊張でよく分からなかった。
唇が離れていって、目が合う。
熱っぽい岡本の視線に、なんだかくらくらしそうだった。
もう一度唇を合わせああと、俺は力が入らなくなって完全に岡本に寄り掛かるようになってしまった。
「大丈夫?」
「ん、わかんね...」
たったキスを2度しただけだと言うのに、腰が抜けたような状態になってしまうのが妙に恥ずかしかった。
いろいろあって時間を忘れていたが、外ももう暗くなり始めていたため俺たちは学校を出た。
「なんで帰らずに待ってたんだ?結構時間たってたのに」
「心配だった。なかなか帰ってこないから何かあったかと思って慌てて探しに行ったよ」
岡本は笑いながら言ったが、俺は座っている時間が思ったより長くなっていたので本当に心配をかけてしまったかもしれない。
「これからは恋人だしことある事に連絡して、な?」
「こっ、恋人っ!?」
「あれ、違うの...?」と言う不安げな顔でこちらを見てくる。
好きとは言ったものの恋人になるとか、そんなことかを考えてはいなかった。
「まぁ、たしかに...恋人...かも」
目線をどこか遠くへ送らせて視界から岡本を出した。けど、隣から聞こえる声は明るくてきっと笑っているんだなと思った。
「じゃあ、これから宜しくね」
「...よろしく」
小さい声になってしまったけど、きっと聞こえただろう。
家まで送る、と言われたけど今日は俺の家に岡本のチャリがある訳じゃないから電車で別れた。
ちなみに、朝は電車を同じにして一緒に登校するということになった。
明日の朝から会えるのかと思うと妙に落ち着かなく感じた。
「この時間...、だよな?」
朝、電車に乗り込む。2車両目にいるって言ってたんだけど...
「おはよう」
「ぅわっ!」
いきなり後から肩をガシッと持たれて、思いのほか大きい声が出てしまった。
「驚かせんなよ、おはよ...」
呆れる俺に対して岡本は楽しそうだった。
「ごめんごめん、後ろ姿見つけたら...つい」
つい、じゃねえ。
駅から学校まで二人で歩いていると、竹下くんも途中に出会って3人になった。
「なぁなぁ結衣ちゃん、まこくんのどこが好きなん〜?」
「っ、なんで知って...!」
からかうようにそう言われて顔に火がついたように熱くなる。
どこが好きって言われても一緒にいると楽しいし、優しいし、たまに意地悪だけど...、あと、最近は側にいるの落ち着くし...
「おっ、ちゃんと好きなとこ考えてますって顔しとるな」
はっ!駄目だ、考えるのやめやめ!
「違う!考えてないっ」
そもそもなんで知ってるんだよ、と思って岡本を見るという前に答えてくれた。
「結弦には色々世話になってたから報告したんだ、ごめんね」
「...わかった、けど他には言うなよ」
「あ、結衣ちゃん俺、中山くんに言ってしもうたわ」
「え!? 他には?言ってないよな?」
「おおー、俺が言ったのは1人だけや」
知っているのはこの2人だけで取り敢えずよかった。なかちーはあんまり興味ないだろうから広めることもしないだろうし。
「結衣ちゃんに彼氏ができたこと知れ渡ったら学校の男子暴れ出すんとちゃう?」
「そんな俺に影響力はない」
「いやいや!むさ苦しい男どもの目の保養やもん!荒地に咲く1輪の花や!」
どんな例えだ。
女顔を気にしている俺からしたらあんまり嬉しくない例えだけど...
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