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岡本と恋人になっても、今の生活がガラリと変わることはなかった。
「今日家に行ってもいい?」
強いて言うなら、ギプスが取れた今でもちょくちょく家に来ることと、たまにキスを交わすくらいだ。
金曜日の今日をやり過ごせば、2日間は学校に来なくていいので気楽に1日を過ごした。
何度も一緒に電車に乗ったけど、近距離で密着したまま何駅か過ごすのはまだ慣れない。というか、慣れる日は来ないと思う。
家に着いて学校のこととか、家のことを話したりして、何をする訳でもなくだらだらと時間を使う。
こういう他愛のない時間が意外と俺は好きで、一緒にいて落ち着くなと再確認出来てしまう。
「ご飯作るね」
岡本は家に来ると必ず夜ご飯を作ってくれる。ギブスをしていた頃が癖になっているのかもしれない。
でも、やっぱりしてもらうばかりではもうしけないから出来ることはなるべく手伝おうと頑張っているつもりだ。
「俺は何すればいい?」
「えっと、肉と野菜切って貰える?」
「んー」
今日のメニューはカレーだ。レトルトも美味しいけど作った方が美味しく感じる気がする。
2人でカレーを食べて、次は辛口にする、とかルーを変えてみる、とか話をしたりして洗い物も済ませた。
「じゃあ、今日はこれで帰るよ」
8時になった頃に岡本が鞄を持ち上げてそう言った。
「あっ、のさ、今日泊まって行かね...?」
玄関へと向かおうとした彼の袖を掴み、思わずそう言ってしまう。
2人でいた部屋に1人になってしまうのは寂しい。
それだけの理由で引き止めてしまった。
「...、冴島がいいならそうするよ」
一瞬驚いた顔した後、岡本は微笑んだ。
「はい、これ使って」
俺のパジャマは入るわけがないので、兄ちゃんが泊まりに来た時用のスウェットを渡す。お風呂はご飯の時にためであったので、先に岡本に入ってもらった。
お風呂上がりの岡本はいつもより少し色っぽく感じた。
「ど、ドライヤーそこにあるから使って」
俺もそそくさとお風呂へ向かった。
お風呂に時間をかける性格でないためぱぱっと済まし、タオルで髪を乾かす。
「結衣、ここ来て」
そう、恋人になってから変わったのはもう1つあった。
それは岡本が時々名前で呼んでくることだ。
俺は恥ずかしくて“誠”なんて呼べやしないが岡本は顔色変えずにそれをして見せる。
ソファに座る岡本の隣へ座ると、「違うよ」と言って足の間に座らされた。
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