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2人は案内の女性に連れられ用意されたホテルに着いた。
「私はこれで、もし何かありましたら基地の方に連絡をください。おかえりの際はそのままで大丈夫です」
女性はそう告げると頭を下げ去っていく。
「雨か...」
カミスは窓から外の様子を眺めふとどことなくつぶやく。
「スコールシティ、年間雨の降らない日は10日程しかないと言われ、別名Irondead cityと呼ばれています」
スコールシティの造りはすべてレンガや石といったもので金属はどこにも使用されてなく、室内に最低限ある程度である。
「俺は雨を見るのは今日が初めてだ、サフはあるか?」
カミスは窓を向いたままサフと会話を返す。息で白く窓が曇る。
「はい」
驚く表情をバレないようサフは最低限の返事で返す。
「...俺の住む天空都市に天気と言う概念はない、全てを管理させられた空間で温度の変化も天気の変化もない。だから今日ここに来るまで雨を頭で理解はしていたが実際見るのは初めてだ」
隠したサフの驚きに気づかないカミスではない、見たことない理由を告げる。
「そうですか」
カミスは振り向かず初めて見る雨を目に映す。
カミスの故郷であり政府軍本部のある『天空都市』は地上から切り離され絶対的な安全が保証されてると言われる。強力な術式で浮いており上空も術式により天気等の影響を受けずにいる。そんな温室育ちのカミスにとって雨は至極珍しいものであった。それに対し地上に故郷があるサフにとっては雨など極々一般的である。
「寒いな...」
カミスは曇った窓を指でなぞり冷たい指先と冷えた部屋に寒さを感じる。寒いという感覚も熱を出さない限り感じられない、それに日常身につけている超軽量スーツのおかげで温度調整も必要が無い。今日は休日、化学繊維と綿で作られた一般に言う服に袖を通している。重ねて着るか脱ぐかの調整機能しかない。
「暖房入れますか?」
サフは気付かなかったことに謝り暖房のスイッチに手を伸ばす。
「いや...要らない」
カミスの静止にサフは手を止めカミスに首を傾げる。カミスは少し目を伏せサフの方に振り返る。
「なら上着でも着ますか?」
「上着もいいが...どうせならお前の体温が欲しい」
カミスの表情は笑わないが口調は至って明るく笑っている、ひどく機嫌がいいようだとサフは気づくがそれだけでなくどこか泣き出しそうな声色だとも思った。
「...」
サフは雨で濡れた羽織を椅子に投げ、上着から腕を抜く。腰紐で袴と縛ってある故返して留まらせ上半身は産籠手を着たのみになる。鍛え上げ屈強な肉体が露になりカミスを腕に収める。
日常的に冗談は言わない、人との接触をなるべく避けるカミスにサフは違和感を感じる。本当に寒いのか、それと冗談か、はたまた誘ってきているか、サフは腕に収め冷えたカミスを探る。これだけ可愛い反応を見せるカミスだが、軍の最高指揮者で世界をひっくり返せるだけの力がある事をサフは忘れない。いつ何時彼の機嫌を損ねないか変わらない表情下でひやひやしている。
「カミス様、今日はどうされたんですか?」
それらを全て踏まえ、回した腕で弄り壊してしまいたい衝動を抑え問う。雨音が激しく窓を叩きつけ薄暗い部屋に二人の会話が響く。
「雨が降ってる...それだけだ」
雨だから気がおかしいと言い訳を添え、分厚い身体に縋る様にカミスはサフの胸に額を押し付ける。カミスは自分がいいと言わない限り手を出さないサフを知っている。いつもは顎で使えるサフだがこれに限っては遠回りに伝えても伝わらないことも知ってるカミスだが羞恥が勝って遠回りにしか告げられない。表情だって変えることが出来ない。
「サフ、何をそんなに堪える必要がある」
「...っ」
サフの腕にクッと力が入り息を呑む音がカミスに伝わる。
カミスはそれでも渋るサフに焦れ、顔の横に添えていた手を筋肉の隆起に添わせながら下に滑らせ反応のないそれを袴越しに撫でる。更に力の入るサフの腕を可笑しく思いながらカミスは執拗に指で触れる。
「カミス様...」
サフはカミスを呼ぶと上を向いた顔に手を添え唇を重ねる。小さなカミスの口を割り舌を差し込む。狭い口内を撫で回し唾液をかき混ぜる。雨音に吐息とキスの音が混ざる。
「...サフ」
唇を離し、名残惜しそうなカミスがサフを呼ぶ。唾液で濡れた唇と幼い顔がアンバランスでまるで子供を犯すような罪悪感、逆に上司で軍の指揮官を壊したい加虐心が煽られサフはカミスを少々乱暴にソファに押し倒す。カミスが息を飲み覆いかぶさるサフを見上げる。いつもなら見れないだろう赤らんだ頬に潤んだ青い瞳、子猫のように小さく不安げな表情にサフは優しさと支配欲を含んだ笑みを浮かべる。サフは押し倒したカミスの服をたくしあげ真白な肌を撫でる。胸の間に寄生する赤い『侵虫花草』が覗く。殺人花とも言われるそれが綺麗に見えるのは持ち主の所為だろうか。
「...いいですね、コレのお陰であなたに触れることが出来る人が限られる」
侵虫花草は寄生した人間の養分を吸い取り遅くても寄生されたら1日足らずで肉体を喰らい尽くす。成長仕切るとまるで赤い目の様な1輪の花を咲かす。種子は作らず何故発生したかも分かっていない。花は人から人へ移動し生き続けるが1ヶ月放置されれば枯れてしまう。又、寄生された人間と接触すると根を伸ばし分裂する事で別個体を作ることが出来る。
カミスはそんな侵虫花草を飼うことが出来る方法を見出し自己防衛手段として利用している。だがカミス同様侵虫花草を塞げる手立てを持っている輩は少数だが存在し、サフもその中の人物である。
「サフ、焦らすな…」
カミスは侵虫花草の周りをなぞるばかりのサフにまるで焦らされているようで、居心地の悪さに身体を捩り抗議する。
「焦らしたつもりはないですが...もっと無理矢理の方がお好みですか?」
「そうじゃ...っ...ない」
サフはなぞる手をそのまま滑らしツンと勃つ胸の飾りを指と指でキュッと挟む。カミスは勘違いの言葉に違うと反論しようとしたら胸の刺激に息を詰め言葉が途切れる。
「ではじっくり楽しみたいですか?」
サフは両手でカミスの胸を撫でながら意地悪に笑みを浮かべる。いつもなら見えぬ表情にカミスはドキドキと心臓を跳ねさせる。
「いちいち聞くな」
カミスはフイッとサフから顔を逸らす。
「まだ時間はあります…じっくり楽しみませんか?」
顔を逸らしたカミスの頬にサフは唇を押し当てる。大きな青い目がサフを睨む。
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