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噂の王子様 3
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…かくいう俺の名前は…うん。言いたくない。
「お~始めるぞ」
数学の担当である中谷先生様が入ってきて、日直の掛け声に合わせて挨拶を済ませる。
俺の大の苦手科目なので、さっそくぼんやりして過ごそうと思ったら「先週出した宿題やってきたな?」とか言い出した。
パラリ
「…」
何度見てもノートには、宿題をこなした形跡は欠片もない。
パタリ
俺はノートを閉じた。
けれど、この一時間。
何もせずに過ごすのもなんだと思い、とりあえずノートの端にパラパラマンガでも描こうと準備を始める。
何を描こうかと考えていると、授業では宿題に出された問題を解かせようと中谷先生様がクラスメイトを当てていた。
ヤバイ。
俺は当てられないように、コソッと前のヤツの背中に隠れた。
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