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人の不幸は密の味
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「なにそれ、面白そうじゃん!」
「はぁぁぁぁぁああああっ?????!」
事の全てを語った俺に対しての友の第一声が、それだった。
俺は信じられないモノを見るかのように、健太の顔を見た。
きっと物凄い顔をしていたんだろう。
俺の顔を見て健太は「ブサイク」って言いながら顔を顰める。
いや、このイケメン顔を不細工にしたのはどこの誰だよ?!
お前だよ、お前!
「ひと事だと思ってるだろっ、マジ大変なんだからな!!」
「声大きいよ萌。シッ」
俺が怒ると、健太に嗜められる。
なんで俺が注意されなきゃなんないの?
大きな声も出るってもんだよ。
それでも俺に悪かったと思ったのか「ごめん、ごめん」と言いながら自分の頭を掻いた。
ごめんとか、そんなに思ってないだろ。
そうだよな。
さっき、その口から面白そうって聞いたばかりだし。
本音はソッチだろ?
「いや、大変なのは分かる。そんで毎月只でさえ少ないお小遣いが千円とはいえ羽ばたくのも気の毒だと思う」
「そうだろうが!」
「でもさ、考えてみろよ?あの王子様として有名な神と知り合えたって事だぞ?平凡なお前が平凡な高校生活から抜け出せるキッカケなんだからさ」
ニヤニヤしながら言われても…。
第一に、そんなキッカケいらない。
「これから大変だろうけど、俺もフォローするからさ!!」
健太はビッと親指を立てて、ウィンクしてきた。
おい。ウィンクできてないぞ。
というかさ、その表情で俺はお前の考えが手に取るように分かった。
健太よ。
…面白がってるな?
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