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親友は語る
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健太はフーッと溜め息をひとつ吐くと、視線を俺から逸らした。
そして少しだけ上を向いた。
なんだよ、その悟ったような表情は。
「まぁな~。俺、昔から目立たない人間でそれでも楽しく生きてきたさ。でも、ちょっと目立つグループに憧れてたのもあってさ…」
確かに目立つグループって、いつもバカみたいに楽しそうだもんな。
どこかオシャレだし、女の子にもモテるし先生とも仲良いし。
「で、髪染めたんだろ?」
「そう。だけどご存知の通り、髪を染めてるのは俺の他にもたくさん居てさ」
知ってる。
お前「高校デビュー失敗した」とか、遠い目をして言ってたもんな。
「こうして平凡な友だちと平凡で退屈な毎日を繰り返してるんだ」
平凡な友だちって、間違いなく俺だよな?
失礼極まりねぇな。
しかも退屈とか『失礼極まりねぇな。』
腹立ったから、二回言っておく。
けど、俺は平凡の良さが何かを知っているから親友に優しく教えてやることにした。
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