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兎赤・クロ月・及影 『悪魔は、誓う』
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「そう言えば、私のドラゴンちゃんは?」
「あーそれな、オレがパンチしたら気絶しちゃって、ケイジの中で寝てるよ?」
「………………」
『悪魔は、誓う』
『まったく………これだから加減を知らんバカは……』
「もぅ……怒んないでよ。ボクト様も悪気があったわけじゃ…」
「……………………」
2人で腰掛けたベッドの上。
ドラゴンを召喚する呪文を唱えたら、身体の中から、少し、いや大分小さくなったドラゴンちゃんが出てきた。
今までずっと眠っていたらしい……
ずっと文句を言っているドラゴンちゃんは、小さな身体で懸命に私の膝の上に登ってきた。
『むぅ……しばらくこの身体か……不便だ。』
「まぁまぁ、とっても可愛いよ?」
ドラゴンちゃんを抱きしめると、腕の中で恥ずかしそうに、でも嬉しそうにぐるると喉を鳴らした。
が、そんな幸せな時間も少しだけだった。
「ケイジ、そのドラゴンさっさと直せ…」
ボクト様の機嫌の悪そうな声に、思わず震え上がる。
『………し、仕方ないな。また寝といてやろう…』
(ドラゴンちゃんでも怯むことあるんだ……)
私は新しい発見に驚きつつ、ドラゴンちゃんを胸元に寄せ、そこからゆっくりと身体の中に入れていく。
その光景を黙って見ているボクト様。
顔が怖くて、私はドラゴンちゃんを入れてしまった後、ボクト様の方を向いて抱き着いた。
「………お顔が怖いですよ?」
「そりゃ目の前で浮気されたらな……こんな顔にもなるわ。」
そこに居たボクト様の顔は、猛禽類のように獲物を狩る顔をしていた。
****
ある時、クロオに教えてもらった。
『オンナが逃げられないようにするには、調教しちまえばいい……その方が、順従になって可愛いぞ?』
悪趣味もここまでくれば笑えてしまう。
オレはその時、少し、いや結構引いたが、今になって正しかったのではないかと考えてしまう自分がいる。
「ねー、ケイジ…俺に飼い慣らされるのと、オレのペットに調教してもらうの、どっちがいい?」
「ボクト様がいい……」
オレに抱きついて擦り寄っているケイジは、オレの質問に間髪入れずに答え、オレの手を取りこう言った。
「なんでも、アナタ……コウタロウ様にしてもらいたい……です。」
「ケイジ…」
「あーでも、痛そうだしやっぱりやです。」
だから、調教とかしてなくてもいいように、いい子にしときますね?
困ったように笑う彼女は、この世界よ何よりも美しかった。
「そーいえば、ボクト様、お腹すきました。」
ペコペコです。
どこか幼くなったケイジが、足をぴょこぴょこ動かしながら、拗ねたように口を尖らせる。
オレは調教のことなど頭から消えうせ、そういえば朝ごはん食べてないな、とぼーっと考える。
「そうだな、とりあえずケイジは着替えようか。そしたら大広間まで行こう。」
「ご飯、みんなで食べるんですか?」
「?オレ達はいつも一緒に食べていたぞ?」
「いや……今日は、ふたりっきりで食べたいです……」
ダメですか?
上目遣いで見上げられるともうダメで。
オレは急いで使いの悪魔を部屋まで呼んだ。
『ハイハイ、どうしましたか?』
「ケイジ用のドレスとネグリジェとか、クローゼットの中にある洋服全部持ってこい。後、朝食も。」
『うげぇ……悪魔使いが荒いですね全く……5分後に全て持ってくるのでしばしお待ちを。』
そう言って、使いの悪魔が出ていった。
「悪魔使いが荒いって、なんか面白いですね。」
「そーかー?」
5分後、沢山の悪魔と、綺麗な洋服。そして、美味しそうな朝食が一気に運ばれてきた。
『やっぱりこういう時に便利ですよねー、分裂は。ボクト様、ケイジ様、どうぞごゆっくり。』
「さっさと出てけ。」
『ハイハイ、ではケイジ様、また。』
「あ、はーい。ありがとうございました。」
ケイジは手を振り、使いの悪魔を見送る。
それにまたしてもイラついたので、オレはケイジが着ていた洋服を後ろから下着ごと引き裂いて素裸にする。
「ッ、きゃぁぁぁ!」
ケイジは急いで色んなところを隠そうと、近くにあったオレの上着を掴み、身体を覆う。
「何するんですか!……恥ずかしい/////」
真っ赤な顔で言われてもより興奮するための材料でしかなくて。
オレは少しばかりイタズラをすることにした。
ケイジをこっちに無理やり動かし、オレと向き合うような形にする。
そして、真っ赤な顔で震えるケイジの、上着を引っ張りながら、こう言った。
「ねぇ、ケイジ。オレの上着、返してよ。」
「ふぇ……無理です……」
上着を握りしめすぎて、ケイジの手は白く、カタカタと震えていた。
(可愛い……もっと、もっと虐めたい……)
オレはケイジの手に自分の手を添え、上から優しく撫でる。
ケイジが油断して、力を緩めた所をオレは一気に上着を引っ張り、ケイジの身体から引き剥がした。
「…ッ!?やぁ、どうして……いゃ、見ないでッ……」
自分の身体を守るように抱きしめたケイジから、小さく嗚咽が漏れてきて、泣いているのだと気づいた。と同時に、オレはバカみたいに興奮してしまった。
が、その考えは一瞬にして吹っ飛んだ。
「いゃ、みないで、みないで、いやぁぁ、ッ、!」
必死に隠していたお腹の部分。
隠している腕の隙間から見え隠れする大きくて、痛そうな。最近出来たであろう火傷のあと。
それを見た瞬間、オレの頭は一気に冷えた。
急いで下着と洋服を取り上げ、ケイジを抱き寄せる。
「ゴメンな、いじわるしちゃった。オレはあっち向いてるから、この洋服に着替えて?」
「……………」
鼻を啜りながら、ケイジはなるべく身体を見られないように着替えをし出す。
オレは嫌われたくはないので、大人しくケイジと逆の方向を見て着替えが終わるのをじっと待つ。
後ろが静かになったので、オレが振り返ろうとすると後ろからケイジに抱きしめられた。
「……どーしたの?ケイジ。」
「嫌わないで……」
それからぽつりぽつりとケイジは火傷のことについて話してくれた。
火傷は炎を使いすぎたらできる傷ということ。今までも何回かあって、その度にトビオに冷やしてもらって何とか傷が治っていたこと。昨日は特に酷くて、身体を見せたくなかったこと……
聞けば聞くほど、悲しくなってきた。
「私は大丈夫です。……こんな身体、いいんです。妹達の綺麗な身体を守るために、私が犠牲になれば。」
ここまで献身的だともはや怖い。
「……まぁ、いいや。ご飯食べよう。」
「はい…。」
オレはケイジを太ももの間に座らせ、パンやスープを食べさせていく。
(この子に、もう辛い思いはさせない……)
オレが、守る!!!
……To be continued
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