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兎赤・クロ月・及影 『城の憂鬱』
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むかーし、むかーし、ある所に。
3人の悪魔達がいました。
【城の憂鬱】
一番偉いオイカワ大王。
その側近のテツロウ・クロオとコウタロウ・ボクト。
その3人は、悪魔の住む世界の、中心の、『Clover王国』にある大きなお城に住んでいました。
3人の悪魔達は、とても強い力を持っていて、そこに半ば封印のようにして、住まされていたのです。
でも、3人は特に気にする様子もなく、毎日面白可笑しく暮らしていました。
でも、ある日……
3人の住むお城に、便りが届きました。
その内容は、あるドラゴンの国から。
ドラゴン達と、悪魔達は長い間、それはそれは長い間、戦争を行っていました。
でも、その戦いを、3人の悪魔達が話し合いという悪魔にしては平和な解決方法で終わらせました。
なにしろ、3人は争いごとがあまり好きではなかったし、めんどくさかったからです。でも、ドラゴン達からしてみれば、戦いを終わらせてくれた、まさに勇者の様な存在だったのです。
『我がHeart王国で、3人の娘達の結婚相手を見つけるための舞踏会を行います。我が国を救ってくれた勇者達よ、是非いらしてくださいませ。』
もうそんな年頃か。
3人の悪魔の内1人が呟きました。
ドラゴンと悪魔の戦いの時、3人の娘達はまだ幼い子供たちでした。でも、その子供達が、とても強い力を持ったドラゴンの雛だったのです。
1番上は焔のドラゴン。2番目は陽のドラゴン。1番下は氷のドラゴン……3人とも伝説のドラゴンの血を引いていて、悪魔達の格好のエサでした。
それもあって、3人の悪魔達は戦争を終わらせようと思ったのでした。正直、ドラゴンの雛はどうでもよかったけど、幼子が弄ばれる様は、いくら悪魔でもあまり見たいものではありません。
その娘達が、どんな女性になったのか、気にならないはずがありません。
3人の悪魔達は、城の使いに言いました。
『少しドラゴンの国まで行ってくる。』
当然、使いの悪魔は慌てます。
『い、いけません!貴方達は、ここから出ることは出来ません!!』
使いの悪魔は続けます。
『貴方達がここから出てしまったら、外の悪魔達が反乱を起こしてしまいます!』
そうです、3人の悪魔達は戦いを無理矢理終わらせてしまった、この悪魔の国で最も嫌われているその3人なのです。でも、3人の悪魔達の力が強すぎて、とても手を出せそうにありません。なので、この城に封印したのでした。
『俺らの言うことが聞けないのか。』
悪魔達はイライラし出して、今にも魔法で、ドラゴンの国までひとっ飛びしそうな勢いでした。
使いの悪魔は言いました。
『で、では、こうしましょう!貴方達が何も問題を起こさず、素直に帰って来ると約束をすれば、この城から外に出てもいいですよ。』
『うむ、約束しよう。』
3人の悪魔達の1人が食い気味に答えました。
『じゃあ、いいですよ。行ってらっしゃいませ。』
使いの悪魔が言い終わらない内に、3人の悪魔達はまるで風のように、城の門を出て行きました。
その慌ただしさといったら……使いの悪魔は溜息をつきました。
あの3人が、何も起こさずに帰ってくればいいのだけれど……
城の門を閉じたその悪魔の悲痛な願いが、この後無残にも引き裂かれてしまうことを、この悪魔は知る由もなかった。
……To be continued
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