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クラス中に拡散された、悪意のある1本の動画。
最初は気味悪がっていた連中も、それが真壁小宇宙(まかべこすも)への報復動画だと分かると、自業自得、害悪の駆除、抹殺などと理由を付けて躊躇なく他の人間に回して寄越した。
そうやって巡り巡り、高宮(たかみや)の元へも、クラスメートの、見てみろ爆笑注意と書かれたメッセージと共に添付ファイルが届いたのだった。
「クラスのヤツらから回って来たんだけどさ、ほら、知ってんだろ?C組の真壁。変な名前の。ヤバいグループと付き合ってっからってチョーシこいでた結果、すげえリンチされてんの、見てみろって」
文字だけでは抑え切れなかった興奮を、動画の送り主は電話越しに早口でまくし立てる。
「オレが真壁だったら精神的に参って自殺レベル。後半オススメ、ヤメロヤメロ言いながら、びっくびくイってんの。アイツあんだけ偉そうにして、すっげえ粗チン。皮被って、つるっつるなんだよ。笑えるだろ?次学校で会ったら、みんなで脱がして確かめようって話になってさ。あ、別にそんなシュミとかじゃねえから。あくまでみんなのため。害虫だから、平和行為」
こちらが口を挟む隙もなく、彼は自分の言い分だけ述べると、当たり前のようにじゃあなと通話を終えた。
高宮は彼の話にうんざりした気持ちで、スマホを片手に自室のベッドで横になる。
添付された動画は、金髪の長い髪を鷲掴みにされ、無理やりこちらを向けられる小宇宙の歪んだ表情で静止していた。
あまり彼のことをよく知らないが、こうして見るとまだ子どものような顔付きをしている。
半分もない眉は力強く寄せられ、つり上がった目が若干人相を悪く見せるが、どことなく幼い。
話のネタに、ぐらいの気持ちで、高宮はとりあえず再生ボタンを押した。
フザケンナ、ヤメロ、コロスぞ。
すぐさま大音量で小宇宙が喚き散らす。
すでに幾度か殴られた後のようで、鼻血を吹き、目の下が腫れている。
いつもはどちらかと言うと、集団の末端にいて、見た目は派手だが、ある意味他と比べて目立たない印象だった。
この動画も、主犯格に手出し出来ない臆病な誰かによって犠牲になったとしか思えない人選だ。
鶏ガラみたいに痩せた小さな体を何人もで押さえ付けて、これじゃあどちらが悪者か分からなくなる。
ご丁寧にも特定されないよう顔をぼやかせ、声のトーンまでいじられた男が、乱暴に小宇宙のパーカーを脱がせようとした。
露わになる肋骨の浮いた胸元。
ピンク色をした小粒の乳首が映し出される。
周囲は無慈悲にも、彼の無様な姿により一層沸いた。
伸ばされた指は小宇宙の乳首を強引にひねり、面白おかしく弄んでいる。
時折、毛の生えていない脇の窪みに手を突っ込み、自分の意思に反し、身悶える小宇宙をモザイクの少年たちが嘲笑った。
「こいつションベン漏らしてんじゃね?」
涙と汗に濡れた小宇宙を見下ろすよう、ふと呟かれた一言が引き金になる。
待ってましたと言わんばかりに、群がる男たちは小宇宙のベルトを外し、だらし無く着こなされた制服のズボンを下着ごと引きずり下ろした。
ここからが、友人の言うオススメのシーンだろうか。
開かされた足の中心に小学生のようなペニス。
皮にしっかりと覆われた細いそれは、ぷるぷる小刻みに揺れて、何だか変な気分になった。
これをクラスの人間はどんな思いで見ているのだろうか。
男女問わず、無作為に広がる悪意。
当然のごとくいたぶられるペニス。
しごけばすぐに硬くなり、若さゆえにびゅくびゅくと精を吐き出すそれ。吐き出しては、硬く、繰り返される恥辱的な行為。
みんなの憂さ晴らしのために、小宇宙はペニスをしごかれる。
ヤメロ、ヤメロ、フザケンナ、シネ、コロス。
語彙のない彼の必死の叫びだ。
痛みを訴え、苦痛に顔を歪ませる。
泣きそうな、子どもの顔。
カメラは執拗に小宇宙のペニスを追った。
握り込まれた小さな玉。
小宇宙が悲鳴をあげる。
逃れようと彼は四肢をバタつかせ、腰を振った。
音声処理されたロボットのような笑い声。
動画はそこで途切れていた。
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