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「そんな事ないよ!」
(そんなことないっ、)
確かに、このギルドをまとめてる姿とか…ちょっとかっこいいなと思ってた
いつでも笑ってる顔も、素敵だなって。
(でも〝好き〟まではいってない、)
そこまでは決して!
最近は好きとか嫌いとかよりギルドの方針が変わったのについて悩む事が多くて、そっちに関しては本当に置き去り状態だった…だから、本当に何もなくて
「へー? まぁいいけどさ。
私の勘なんだけど、アサちゃんってゲイだよね?」
「っ、」
「クスッ、別にいいけどさ、私の邪魔しないでよね。彼は私のにするから。まぁアサちゃん顔平凡だし私のが可愛いってか女だし? リーダーもゲイじゃなさそうだから、残念でした〜!
ってことで、もう極力リーダーに近づかないで貰える?」
「ゲイの分際で」とひと睨みしてから、またふわりとした顔に戻って「じゃ、あとよろしくね〜」とみんなの元に戻って行った
(…やっぱり、女の子って鋭いや。)
〝好き〟まで達してないこの気持ちにも気づくなんて、敵いっこない。
元々僕はゲイで、これまで好きになってきたのはみんな同性
でも、その度に同じ人が好きな女の子から散々言われてしまって、結局告白まで至った事がない
(まぁ、しょうがないんだけどね……)
確かに僕平凡顔だし。
もっと可愛い顔してたら良かったかもしれないけど…
バーチャル世界と言えど、背丈や体つき・髪型などは現実世界のものが忠実に再現されている
ただ、髪色と目の色・肌の色だけはユーザーが自由にカスタムできる仕組みだ
朝焼けの色を表現したくて赤や青や紫や黄色を織り交ぜた髪を、一房掴んで目の前に持ってくる
(やっぱり、僕なんかじゃ…無理だ……)
こんな気弱な性格で、1人じゃ何にもできなくて、おまけに平凡顔で、更に弓と来る
(い、いや、別に弓は悪くないっ!)
弓は大好きっ!本当に!!ちゃんと使えば強いし!
ただ、僕が駄目なだけなんだ……
胸がキュゥッてなって、悲しくなって涙が出てきてしまいそうになって
ブンブン頭を振って、晩御飯の準備を再開した
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