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「は? 1人…って……」
「お前野良なの…?」
「そ、そうですっ、」
「はぁっ!?じゃぁお前1人でこの洞窟来たのかよ!まじ!?」
「死にたいのか……?」
「ーーーっ、」
信じられない…というように見てくる2人に何も言えなくなって、キュゥッと膝の上で手を握る
「ちが…死にたいわけじゃ、なくて……っ、」
(死にたくはない、生きて帰る…その為にここまで来た。)
でも、今の自分の状況を側から見ると、確かにそう思われてもおかしくない
「うぅん…? んー……分かった!まぁ取り敢えず何があったか俺たちに話せよ!なっ?」
「そうだな。なんか訳ありなんだろ?」
俯いた頭にポンっと2人の大きな手が乗って
「っ、あの…えっと……」
グッと下唇を噛みながら、これまでの事をゆっくり話し始めた
「成る程ねぇ…」
「ギルドの方針が変わった、か……」
「はい。」
「それで前に進むためにお前だけ抜けて来た、と。」
「っ、そ、そうです、」
「ーーーへぇ、やるじゃん。」
笑われるかな?呆れられるかな?と不安になりながら話したのに、帰って来たのは褒め言葉
「それだったら俺も抜けるなぁ。」
「人って弱ぇからやっぱ自分が大事ってのは分かるんだけどさ、流石に他の奴らが命かけてやってんのにそんな無責任な事…俺も言えねぇなぁ。」
「別にリアルでもダチって訳じゃなかったんだろ?」
「はい、この世界で知り合って、」
「ん。なら別にいいんじゃね?」
出会いと別れは日常茶飯事、それがMMO
その瞬間は一緒にいても別れることなんて沢山ある
「お前も他のゲーム経験してんだろ?まぁ今回は状況が状況なだけに結構リアリティあるけど、経験した出会いの中のひとつだと思えば気が楽なんじゃないか?」
「やな!大丈夫大丈夫!俺はアサが正解やと思うわ〜」
「っ、ありがとう…ございます……、」
(良かった…)
2人がそう言ってくれて、なんだか凄く救われた気がする
「でも、流石に此処1人で来るのはあかんわ。マジで死ぬよ?」
「この洞窟抜けねぇと次のとこ行けないっていうのは分かるけどさ、なんかその辺の人誘って一緒に行くとかしたほうが良かったな。」
「そうですね…本当にお2人がいなかったら死んでました……」
「しかもお前弓やしな…いや、別に弓が悪ぃって訳じゃないんやけど……うぅーんこういう時は新しいギルド見つけるのがいいけど、初っ端変なとこ入ると次また入るの億劫だよなぁ。」
「しかも、この洞窟みんな素通りすっから人がほぼほぼいねぇんだよな。」
「って事は、出会うなら此処から出て外…ってわけですね……」
「それが先決やなぁ〜…でも、アサの目的もIDクリアなんよな?」
「そうです。」
「それなら俺たちと目的一緒だよなぁ…今レベル29?だったっけ?それなら次のIDの適正レベルまで行ってないし、レベリングせないかんやろ。」
チラッとみかんさんがりんごさんの顔を見る
「俺らも今レベリングしてんだよな。ここ経験値美味いのに、気持ち悪ぃからってみんな素通りしてんの。だから中型狩り放題。」
「我慢は必要だけどな!ある程度レベル上がってあんまり経験値美味くなくなってから出ようと思ってんだよね。」
「アサも、俺らと一緒にレベリングするか?」
「え、」
「まだサブクエも終わってないやろ。その辺は手伝ってやるし、後はガツガツ中型倒していけばいいやろ!」
「い、いいんですか……? お2人の事待ってるギルドの仲間とかがいるんじゃ…」
「あぁ、このギルド俺ら2人だけしかいねぇからその辺は大丈夫。」
「ぁ、そうだったんですね。」
「そそそ。何か、やっぱ命かかってんのもあるしで他の奴信用できなくてさ…まぁ後々増えるかもしんねぇけど。
で、どうするアサ?別に此処出てもいいけど、俺らとちょっとだけ組む?」
「お願いします、!」
ここは、誘いに素直に乗ってた方がいい
(それに、2人とも良い人そうだし。)
もう少し…一緒に居たいなと思う。
「おっけ!じゃぁパーティー入ってな〜」
みかんさんが空中でスッと指を動かす
ポンッ
〝みかんからパーティーに誘われています。許可しますか?〟
目の前に浮かんだ画面にある〝はい〟のボタンを押した
***
・野良: 何処のギルドにも属していないプレイヤーの事。
・経験値: モンスターのレベルが自分より上だった場合は沢山の経験値が入って来るが、自分の方がレベルが上になるに連れ段々入ってこなくなる。
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