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sideアサ: レベル55IDについて
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「ぷはっ! あぁー生き返る………」
途中にある砂漠の中の街に着いて、ひと息ついた
(暑すぎるよ本当に…流石バーチャル……)
でも現実世界だったらもっと大変…?
ぼ、僕エジプトとか行けないんじゃ……
お水をゴクゴク飲みながらスッと指を動かして、仲介売り場と商店の画面を出した
(わ、もう品薄になってる。)
原本をバーっとコピーして500部くらい作り、また店に登録する
レベル35IDをクリアしてから、その前の25IDの攻略本も作った
現在45IDのと合わせて3冊出してるけど、どれも見るたびに品薄や売り切れになっていて、みんなが読んでくれてることがわかりとても嬉しい
(大丈夫かな、分かりにくくないかな…)
少しでも、死ぬリスクが減れば良いんだけど……
「あー!早くこの本書いてる奴レベル55のIDクリアしてくんねぇかなぁ。」
ビクッ
「っ、?」
パッと振り向くと、プレイヤー達がため息を吐きながら話していた
「攻略本出たら行こうとしてんだけどさ…」
「わかるわ。俺たちもそれ頼みなんだよなぁ。あの本ないと怖過ぎて無理。」
「それだわー本当死にたくねぇ…多分もうこの辺に来てると思うんだけどなぁ。どいつなんだ?」
キョロキョロし始めて、慌てて体ごと背を向ける
(っ、ま、待ってるユーザーいるんだなぁ。)
あんな高い本買わなくて良くなって、本当に良かった
命がかかってる攻略本で金儲けしようとしてる奴らを阻止できて万々歳だ!
…でも、今の悩みどころは
ポツリ
「レベル55ID…か。」
TTのレベルのマックスは100
その折り返し地点であるこのレベル55IDは、一癖ある
(正直、1人で行くのキツイと思うんだよね…)
レベル35IDと45IDのギミックは、そこまで難しいものではなかった
だから1人でも時間をかければなんとかクリアできてた
(でも、今回のIDのギミックは1人だと難しいいんだよなぁ……)
出来れば誰かと一緒に行きたい、けど
野良の弓なんか入れてくれるパーティーは…きっと無いんだろうな……
(やっぱり1人で行くしかない、か…)
「…………がんばろっ、」
本が出るの待ってる人たちいるし、1人でも行ってみよう
やばかったらすぐ離脱してまた対策を練ればいいし。
(決行は、今日の夜かな?)
レベル35IDの時に味わったID前のあの地獄の風景のおかげで、僕は昼間の人が多い時にIDへ行かなくなってしまっていた
プレイヤー達が感じている恐怖や悲しみが、移ってしまいそうで……
だから、僕がIDへ行くときはいつも夜
みんながいなくなってからそっと入るようにしている
(どうせ1人で行くんだし、誰とも会わないし逆にやりやすい。)
レベル45IDの時も、真夜中に行ったおかげで誰にも会うことなく終えることができた
今回も、もちろんそのつもりだ。
水をグイッと全て飲み干して、街を出ようと立ち上がる
(少しでもレベル上げて、ちょっとでも強くなった状態でIDに臨まなきゃ。)
まだこの辺にやり残してるサブクエがあるし、それをパーっと全部してしまおう
それから、今夜に備えよう。
(よし。行こう…!)
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