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sideアサ: 深夜のID前、まさかの 1
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(わぁ…真っ暗だ……)
真夜中1時くらい
レベル55IDの前まで行こうと、ひたすら暗い地下の階段を降りて行く
この辺りにあるサブクエを全部片付けて、レベルは56まで上がった
(適正+1だし大丈夫かな…)
正直、今回のIDは不安しかない
不安が残るのに行こうとしてる僕って馬鹿なのかな……
(死なない程度に行ってみて、無理そうだったら離脱しよう…)
それでまた作戦立ててもっかい挑戦してみて…
何とかクリアできないかな……クリアできますように。
ドキドキする心臓をぎゅぅっと抑えながら、階段降り切ってID前を目指した
「……ぁれ、?」
(嘘、こんな時間に誰かいる…?)
IDの近くまで来て、そっと物陰に隠れた
(……2人、かな。)
暗くてよく見えないけど、ID前にあるたいまつの炎に照らされて…彼らがフードを被っているのが見える
ブツブツ何かを話してるっぽい感じなのは分かるけど、声や内容まではわからない
(ぇ、こんな時間に誰かと待ち合わせ?今からID行くの?)
嘘でしょ、もう遅いし明日にした方がいいってば。
(って僕が言えた義理じゃないけど…あはは……)
どうしようかな、このまま彼らの横を突っ切って1人で入って行く?
『はぁ!?お前弓のくせして何言ってんだ!』
『大体お前気弱そうだし、そんなんでクリアとか無理無理!!』
「……っ、」
35IDでパーティーへ入れてもらおうと必死に這いずり回った時に言われた、心無い言葉達
何気に今も心に刺さっていて、トラウマのようになっていた
(ID前で、人に会いたくないなぁ…、)
怖い
せっかく〝頑張ろう!〟って思えてるこの気持ちが、何処かへ行ってしまいそうで……
ただでさえ此処は、これまでのIDとは違う
確実に大丈夫という保証のない場所へ挑戦しようとしてるのに、ここで挫かれたら溜まったもんじゃない
(立ち去るの、待とう…)
その場にそっと腰を下ろした
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