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sideキョウ: レベル99ID〝空の塔〟 1
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『お前…が、チカか………?』
『バーチャルで会うのは初めてだな、キョウ。』
このよくわからない世界に閉じ込められて、訳もわからずに取り敢えず指定していた待ち合わせ場所でチカと落ち合った
初めて見るチカは凄く大人びていて、それでいて俺の顔を見ても何も態度が変わらなくて、それに酷く安心した。
その後、自分たちの身を守る為フードを被って何とか生きのびてきて
そしたら偶然アサと会うことができて
それから、それからーーー
「ついに来たな、99のID。」
目の前には、空まで伸びる高い塔
レベル99ID〝空の塔〟
制限時間内に7階建の塔を登りきって、頂上にいるボスを倒さなければいけないというストーリー
「なんや、綺麗なところやなぁ。」
「そうだな。今まで洞窟の中とかにIDがあったから、なんか今回の場所は見渡しがよさそうだ。」
「クスクスッ、そうですね。」
(成る程、その視点は無かった。)
やっぱ、初見と一緒に行くのは違う視点からの発見があって面白い
(にしても、たった1週間か……)
「こいつらのレベリングを手伝ってやる」と決めてから、まさか1週間でここまで来れるとは…
(正直2週間くらいかかるかと思ったんだけどな。PSあんなぁ本当…)
他のゲームをたくさんしている分飲み込みが早くて
教えることをどんどん吸収していってくれて
まぁ、みかんの性格は置いといて、2人ともかなり筋がいい
(アサも、よくこんな奴らとフレンドになったよな。)
だって名前からしてやべぇ奴じゃん本当に、ギルド名も。
その辺で普通は警戒するだろ…やっぱ天然だからわかんねぇのか……?
(いや不思議すぎんだろ。)
ま、でもこういう人との出会いがMMOの醍醐味だし、俺ももう楽しむべきか…
「どうしたキョウ。大丈夫か?」
「ん。なんでもねぇチカ。」
「おんんー?さてはお前怖じけずいたか?なんや可愛いとこあるやんか〜!」
「な、!ちげぇよ!!」
(ったく、こいつは……!)
苦笑気味のアサとりんごを見ながら軽く深呼吸する
(此処をクリアしたら、俺たちはレベル100になる。)
ーーーつまりそれは、漸くこの世界のスタートラインに立てるという事だ
(やってやる。)
絶対に、この意味のわからねぇ世界から出てやる。
現実世界に、戻ってやる。
「おっし、じゃぁ登るぞ。」
「「「「おう!」」」」
元気のいい掛け声を聞きながら、塔の門を開けたーーー
***
・初見: 初めてIDに行く人たちのこと。
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