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sideアサ: 秘密の話 1
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「はぁぁぁ………」
(本当、自分が馬鹿すぎる……)
真夜中のテントの外
3人とも今日のIDでの疲れが溜まってたのか、すぐに寝ちゃって
ソロリソロリと抜けて、外にやって来て空を見上げた
真っ黒い空には今日は雲がかかってて星が見えなくて…
それに比例するように、思考がどんどん沈んでいく
あの後、特に大きなミスもなく何とかクリアすることができた
けど…あの失敗以降どうしても立ち直ることが出来なくて、攻撃らしい攻撃もあまりできなくて…
結局、予想してた時間よりも遅れてのクリアとなってしまった
(秀麗さんたちにも…たくさん心配かけちゃって……)
「僕たちに何かあったのでは」と心配した顔のみんなと合流した時は、本当に本当に…申し訳なさしか無かった
『アサ、何があったんだ?』
『……っ、ぁ、その…』
アルガさんに呼ばれて話をしても、本当のところは言えずじまいで
『…はぁぁ……もういい。
だが、あの様な失敗を犯されては困る。それくらいなら他のメンバーを連れて行った方が良かった。
君も分かるだろう?ここは生死の狭間なんだ。俺たちは今先頭を走っている。他の場所で失敗をするならまだいい、安心してカバーできる。だがこの場での失敗はパーティー全員の命に関わるんだ。厳しいが、君がコアチームの話を呑んだ時点でこの責任は付いてくる。
悪いが、君は次のIDメンバーからは外れてもらう。少し休憩するように。 ーーー以上だ。』
『ぁ………! っ、はぃ……ごめん、なさい………』
「はぁぁ……本当、何やってんだろう…」
チカの心配を蹴って参加した癖に、失敗してしまって
アルガさんに言い訳らしい言い訳すら、満足にできなくて
(キョウちゃんには怒られるし、ヨルさんにも心配されるし…)
あーぁ、僕ってダメ人間だな。
ここが、今この世界で1番危ない場所って分かってる
りんごさんとみかんさんにも、行ってくるって報告した時「気をつけろよな」って言われたし、トマリちゃんにも「ヨルの事お願いね」って言われた
それ、なのに……
(僕は、僕のことしか考えてなかった。)
なんてちっぽけな人間なんだろう?
自分のことだけで精一杯とか、何歳児?
そんなの全然僕らしくない。
(僕、どうしちゃったのかな…)
IDでの初歩的ミスなんか、野良の時代からしたら考えられない
(やっぱり、ヨルさんに恋するの…やめようかな……)
僕なんかが、釣り合うはずなかった
それなのに隣で寝てただけでこんなに舞い上がって…失敗して迷惑かけて、本当馬鹿みたいだ
(あれ? でも、)
ーーー恋って、どうやって諦めるんだっけ?
「アサ。」
「ぇ、」
バッ!と振り向いた先
片手を上げてるチカがいた
「チカ…? なん、で、」
「喉乾かないか? 暖かい飲み物作ったんだが。」
「ぇ、ぁ、ありがと……」
渡されたカップは、凄く暖かくて思わずほぉっとため息が出た
「なぁ、少し話しよう。」
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