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sideアサ: 次のIDは
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「それでは、ラスト2つのIDに関しての話し合いを行う。」
無事IDをクリアした後の打ち上げ
喜ぶ暇もなく、すぐに次のIDに向けての話し合いが行われた
「今回クリアしたIDまでは、それほど難しくはなかった。多少危ない面はあったが無事乗り切ったな。
さて、問題はここからだ。」
残っている2つのID
片方は、これまでとは段違いに難しくなる
そして、もう片方…1番最後のIDはーーー
「はっきり言って、初見は確実に死ぬ。TM経験者でも死ぬ確率の方が圧倒的に高い…その上、TA式だ。」
どよりと騒めくメンバー
だが、それぞれ予想はしてたのか直ぐにシィ…ンとした空気に戻った
ラストのIDは、僕もよく覚えてる。
〝ナギロスの魔法〟
ナギロスと呼ばれるボスが魔法を使って攻撃してくる仕組みのID
その魔法は、これまでのどのIDでも見た事がないものだ
加えて、そいつは3回空を飛ぶというギミックがある
その他にも、いろいろ気をつけるべき部分が沢山あって…
(確かTMでは、実装されて始めのクリア者が出るまで1ヶ月かかったんだよね。)
何回も何回も挑戦して死んでを繰り返してギミックを少しずつ覚えていって、ようやくクリアすることができた
(パソコン上でもあんなに難しかったのに、それをこうしてバーチャルでするなんて…)
体は、ちゃんと動いてくれるのだろうか?
みんな……大丈夫なのかな………?
「…まぁ、今ラストの話をしてもしょうがない。
先ずは次のIDだ。 ここでは確実に〝遠距離職〟の力が必要になる。」
「ぁ、」
(そっか、そうだった。)
次のIDは、遠距離で天井を攻撃しないといけないギミックがある
途中敵が天井に隠れるからそれを攻撃して落とす…っていう仕組み
(……って、それって、)
はっ!と顔を上げると、全員が僕の方を見ていた
「アサくん。」
「っ、ァ、ルガ…さ、」
「ーーー行けるか?」
真っ直ぐに見つめられて、息がつまる
(もし、もしも、)
またあぁやって体が動かなくなってしまったら
また失敗してしまったら…
前のIDはそこまで難しくなかったから何とかカバーできた
でも、次同じ失敗をした場合……確実に死ぬ。
「っ、」
キョウちゃんもチカもヨルさんも、ただただ静かに僕を見つめていて
(ど、しよ………っ、)
失敗は、もうしたくない
してしまった場合、パーティー全員の命に関わる
でもーーー
(そんなの、みんな一緒だ。)
そう、みんな同じ
キョウちゃんも、チカもヨルさんも、アルガさんだって、みんな恐怖と戦って立ち向かってる
そんな中、僕の力が必要なのだとしたら……
「ーーーっ、行きます!!」
グッとお腹に力を入れて、はっきり声を出した
(僕も、一緒に戦おう!)
秀麗さんと話して、初心に帰って分かった。
僕の目的は、この世界のクリア
そして、みんなを無事に現実世界に返す事だ
(その為には、IDクリアが必須。)
ヨルさんとのこともあるけど、まずは目先のIDに目を向けなければ。
自分の恋は、チカに言われた通り焦らず自分のペースで行きたい
(大丈夫。)
2人と話をして、大分気持ちに整理をつける事ができた
今はちゃんと、目の前のことが見えてる。
「ーーーそうか、わかった。」
アルガさんが、固く頷く
「やってやろうぜアサ!お前はできる!!」
「うん、psはあるんだ、自信持て。」
「よろしくな。」
「っ、みんな……」
「アサくん。」
「はい、」
「……頼むぞ。」
「ーーーっ、任せてください!」
ぎゅっと拳を握って強く頷くと、安心したように笑って頷き返してくれた
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