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sideアサ: レベル100ID〝ナギロスの魔法〟1
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「ーーーここか。」
みんなで旅に出て、1ヶ月と少し
4つある残りのIDをひとつひとつ確実にクリアして行って
遂に、1番最後のIDに辿り着いた
(ここが、ナギロス。)
空は暗くて、今にも雷が落ちてきそう
ゴツゴツした黒い地面と、どんよりした空気
そんなフィールドを歩いていると、ぽっかり空いたような大きな洞穴がある
そこは真っ暗で、先が見えなくて……
ーーー如何にも、大物がいそうな雰囲気だ
「なんか、やっぱPCでやってた時とは全然ちげえな…」
「あぁ。どのIDよりも威圧感が半端無い…」
「そう…だね……」
(ここに、今から入るのか。)
背筋がヒヤリとして、ゴクリと喉が鳴った
チカもキョウちゃんも凄く険しい顔をしてる
「君たち、準備はいいか?」
「っ、アルガさん…」
「……ん、各々肩に力が入っているようだな。ふむ。
ーーーよし、ラジオ体操でもするか。」
「「「……………は、?」」」
(ん、今なんて?)
「どうした、ほらやるぞ?」
「え、」
「なんだ、まさかやり方を知らないわけでは無いだろう?日本人だったら誰もができるはずだ。 あいにく音楽は無いが…」
「はぁ? アルガてめぇなに言ってんだ?」
「ん? 君たちが緊張しているようだったから和らげようとしてるんだが。」
「いや、それがどうしてラジオ体操なんだよ…思考回路ぶっ飛んでんじゃね……」
「うん?」
「っ、あははっ、」
(ラジオ体操ってちょっと、)
素で言ってる?本当に??
アルガさん面白すぎない?
「貴方達、準備はどうですか?
………て、何してらっしゃるんです?」
呼びに来てくれた秀麗さんが呆れたように見てくる
「クスクスッ、ちょっとアルガさんに緊張をほぐしてもらってました。」
「はぁ? 緊張?? そんな変な動きしといて何が緊張ですか…まるで真逆ですよ……」
「はははっ、そうかもですね。」
「チカ、そろそろか?」
他のメンバーと話してたヨルさんも、笑いながら近づいて来た
「そうだな。そろそろ行こうと思ってる。ヨルは準備OKか?」
「問題ない。お前らは?」
「大丈夫ですっ。」「完璧。」
「ん、そっか。」
5人揃って、改めて洞窟の方を向いた
正直、今回のIDはどれくらい時間がかかるかわからない
道中の敵は時間をかけて確実に攻撃して、ラストのボスだけがTAだからそこだけスピード持って倒していって…
(作戦通り、動こう。)
1人が1人分の役割を果たしていれば、絶対にクリアできるはず
だからーーー
「うむ。それでは行こうか。」
「はいっ。」
洞窟の方へ歩くアルガさんとチカの後を追う
「それでは、行ってくる。」
「はい。ここが最後のIDです。どうか、気を抜かずに挑まれてくださいね。」
「あぁ、分かっている。」
「ふふ。皆さんもお気をつけて。ご武運を。」
精一杯の笑顔で送り出してくれるみんなの声援を背に
真っ暗闇の洞窟の中へ、入って行った
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