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「っ、落ちたぞ!!周りを見渡せ!!!!」
「ぁ、アルガさん前っ!」「アルガ!!」
また次の相手を掴もうと伸びてきたナギロスの左手を、チカの盾がガシャン!と止めた
「俺が奴を引きつけます、その間に、早くヨルを…!」
「分かった!」
穴に落ちたと言うことは、この空間の何処かにワープしたという事
3人で散らばってそれぞれ声を上げて探し始める
「ヨルさん!ヨルさんどこですか…返事して下さいっ!」
穴に落ちたという時点でそれなりのダメージを被る
ただでさえ左手でHPを削られたのに、その状態で穴に落ちるなんて……
(っ、嫌だ、)
ワープしてる最中に力尽きたとか、まさかそんなことは。
優しくて優しくて
隣にいるとドキドキふわふわしてしまって、自然と嬉しくなってきて
『アサ。』
そんなヨルさんに…もう、会えない……なんてことーーー
「っ!見つけたぞ!!おいヨル!!!!」
後ろの方から聞こえた、キョウちゃんの叫び声
グルっと方向転換してその場所まで一気に走った
「キョウちゃ、キョウちゃん!ヨルさんは…!」
「大丈夫だ、HPがミリ残ってた…全力で回復させるから待っとけ。」
パァッとキョウちゃんの周りが光り、その光が全てヨルさんに吸収されていく
「ヨル…さ……、」
ボロボロで、気を失ってるみたいに動かないヨルさん
でも、その存在は……確かにまだこの世界にあって。
(っ、良かっ……たぁ………)
ガクッと足の力が抜ける
そんな僕を、グイッとアルガさんが掴んだ
「おいアサくん、まだ気を抜くな! 我々はナギロスへ戻るぞ!!」
「ぁ、は、はいっ、!」
(そうだった、こんなとこで崩れてる場合じゃない、)
今のでどれくらいのタイムロスだ? 後何分残ってる?
敵のHPは、後何%なんだっけ?
サァァ…っと血の気が引いて、地面を蹴った
ヨルさんには、キョウちゃんが着いてる
だから大丈夫。
(今は、僕たちがヨルさんの分まで戦わなきゃ!!)
「敵のHPは後35%、残り時間は12分だな……っ、」
「12分…!」
まだ、20%のバリアが残ってる
そしてそれを超えるとラストに向けてナギロスはもっと酷く暴れ出す
凶暴度が増すから、20%以下は慎重に攻撃する為時間に余裕を持つ予定だった
それなのに、こんなまさかの事態
(ヨルさんはまだ目を覚まさないし、火力が1人減った状態で20%のバリアを…壊せるの……?)
「アサくん!」
「は、はい!」
「次の20%のバリアまで全力で削るぞ!!ヨルも直ぐに戻ってくる、だから信じろ!」
「ーーーっ! 分かりました!!」
〝信じろ〟
(そうだよ、僕たちが信じなくて誰がヨルさんを信じるんだ。)
ここまで一緒に頑張ってきたじゃないか
ヨルさんは強い、それを誰よりも1番…僕が知ってるはず
(ヨルさんは、きっと目を覚ます……!)
だから、ここで諦めるなんて絶対にできない!!
「うぉぉおぉぉっ!」
走りながら弓をギリリと痛い程引き、射程範囲内に差し掛かったところで思いっきり手を離した
「アサ!」
「チカただいまっ、ヨルさんは無事だよ!今キョウちゃんが対応してる!!」
「分かった!」
「暫く3人で攻撃するぞ!各自ポーションを飲む様に!後もう少しだ!!」
「「はい!」」
大丈夫。きっとクリアできる。
(諦めるな!!)
諦めたら、終わりだ。
震える心を叱咤して、涙で霞んでた視界をグイッと拭った
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