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Aschenputtel:灰かぶり
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僕には気の強い兄と何を言っても従う義理の弟がいる。兄とはよく剣の腕で競うが、弟は剣はからっきし。それよか箒を握らせた方がずっと上手いのだ。その理由としては、彼が幼い頃から僕たちが彼の剣を奪い、そして彼に雑用を押し付けてきたから。今更ながらに時折後悔することがある。そんな折僕は兄に呼ばれて部屋を訪れた。すると突然背後を取られ腕を拘束されてしまった。
「まだまだだな。」
お母様に似て良く整った顔がいやらしく歪められる。僕はそっと唾を飲み込むと極めて冷静にこの状況から抜け出す事を考えた。
「何見てんだ?」
視線を逸らしたのが気に食わなかったのか顎を掴まれる。そして兄の綺麗な顔が近づいてきて、軽く僕の唇に兄のそれが触れた。驚いて頭が真っ白になる僕とは対照的に兄はニヤリと笑うと自分の唇を軽く舐める。僕は次第にうるさいくらい心臓がなり頬にも熱が帯び始めた。
「お前って本当に責められるの好きだよな?」
「や、やめて兄さ…っ」
兄さんの手が僕の大切なところに触れるか触れないかというところで部屋の戸がノックされる。兄さんは不愉快そうに「誰だ?」と尋ねると弟の声が帰ってきた。兄さんはさっと僕の上から退くとドアを開けシンデレラを見下ろす。
不意にシンデレラと目が合い慌てていつのまにか着崩れていた胸元を正す。彼は何も言わずに僕を見つめると、ふっと視線をずらしそのまま兄さんを睨みつけた。
「まだ何もしてないぜ?」
その言葉に僕はぞっとして逃げるように部屋から出た。
後に残されたシンデレラは兄に洗濯の終わった衣類を押し付けるとそのまま僕のいる方へと向かって歩いてくる。
「大丈夫ですか?」
心配そうに上目遣いをされ、つい顔が紅くなる。シンデレラは兄の僕でさえ照れてしまうほどの美少年。だからこそ、お母様は彼が気に入らなかったのだろう。今でも目の敵にしている。
「心配は要らないよ。兄さんだって冗談のつもりさ」
「…貴方は無防備すぎます。」
「そんなこと…っん…ぁ、…ひ、ひんれれぁ…」
突然シンデレラの唇が僕の口に押し付けられた。そしてそのままシンデレラのぬるりとした舌が僕の口の中にねじ込まれる。敏感な粘膜を舐められ僕は変な声が出てしまう。やめてと必死に抵抗したいのに、力は入らず上手く舌も回らない。されるがままに数分。気が付けばシンデレラに抱きしめられていた。その体は微かに震えていて、僕は何も言えなくなる。
「兄弟じゃなければ良かったのに。」
夕空に溶けてしまいそうな儚げな顔にドクンと心臓が跳ねる。それと同時にきゅっと喉の奥が締め付けられた。僕だって、それを何度夢見たことか。けれど君は僕の弟で、僕は君の兄なんだ。それは、変えようのない現実。
そんな僕たちを窓の向こうから覗く影が一つ。冷たくこちらを見下ろしていた。決して逆らえないお母様の事だ。きっと僕たちの事を許してはくれないのだろう。
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