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「岩ちゃん?」
固まったように自分たちを見ている……睨んでる、とも受け取れる程の強い視線を投げてくる岩泉に、
及川は声を掛ける。
岩泉は、ちろ、と及川のことを見ると、真っ直ぐに菅原に向き合い、その瞳を捕らえて、
「菅原。好きだ」
と、告げる。
「え?」
「ちょっ?!?!」岩ちゃん! 」
2人が同時に声を上げる。
「仕方ねーだろ、本心だ。まだ好きなんだ。
だけど、……………何か、吹っ切れた」
岩泉が歯を見せて笑う。
屈託が無いようにみえる その笑顔に、及川と菅原は一瞬 見とれる。
「じゃーな!」
手を上げて、岩泉が改札に向かう。
「岩ちゃん!」
及川が引き留める。
「何か…………ごめん。オレ、意地悪 言ったかも。
また今度、ホントに、一緒に、ご飯 食べよう?」
そう言う及川の言葉に、岩泉は力強く頷き、
「そうだな。……じゃ」
と 背中を向ける。
「岩ちゃん……」
「岩泉。…………カッコいい……」
「?!っ、スガちゃん?!」
「あ」
「あ、じゃないよ!全くもう、この子は!」
背後でじゃれ合う声を聞きながら、岩泉は入線して来た電車へ意識を向ける。
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