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いつもの朝(普)
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朝が来た。
目覚まし時計の音が部屋中に煩く響き渡る。
俺はその音が耳に入った瞬間に目をぱちくりと開けた。
一方俺の隣で寝ている弟…司は、この騒音が耳に届かないのか、それはもう気持ち良さそうにすやすやと熟睡している。
司は、学校でいじめられている俺にとっての、唯一の癒しだ。
この天使のような寝顔をずっと眺めていたい思いは山々だが、俺も司も学生という身分であるため、朝はゆっくりなんてしていられない。
俺は少しだけ勿体無いなという思いを心に残しながらも、司を甘い夢の世界から引きずり出す。
「つかさ!起きて!つーかーさ!」
俺は司のその全く力の入っていない体を揺さぶり、その可愛い耳によく聞こえるように名前を呼んだ。
「んぅ…やだ…」
まだ眠気の残った甘い声で司は起きたくない意を俺に伝えた。
しかし司が起きてくれなければ俺も朝ごはんを安心して食べられない…俺は寝間着を脱ぎながら言った。
「もう…やだじゃないよ。起きないなら俺先に学校行くよ?」
「やだ!!あまねと一緒に行く!!」
そう言って司は飛び起きた。
さっきまでの眠そうな司はどこにいってしまったのだろう。
確かに俺の方が早く起きたというのに、司の方が早く着替え終わってしまった。
「「いただきます」」
2人で向かい合って朝ごはんを食べる。
父と母は朝早くから仕事でいないから。
でも俺はそこまで淋しくない。司がいるから。
ふと、俺が卵焼きを口に入れた時に、司は俺の左腕の辺りを見て言った。
「ねェあまねー。」
司は俺の左腕辺りをじっとみている。
まさか、昨日クラスメイトにやられた傷を見られたか…?
そうだったら嫌だ。
だって、俺は司に心配なんてかけたくはない。
俺はなるべく自然に、司が俺に伝えたい意を訊いた。
「ん、何…?」
「その唐揚げちょーだい!」
ガクッ…
え、そんなこと?
まぁとにかく司は俺の左腕の傷には気付いていないようだ。良かった…
俺は皿の手前左にある唐揚げを司にあげることにした。
「イーヨ、はい。」
俺が持っている箸の上の方を使って唐揚げを司の皿の上に置いてやると、司はそれはもう可愛らしく喜んだ。
「やったー!ありがとー!」
しばらくすると、俺は朝ごはんを食べ終えた。
司はまだ食べていたから、俺は少しの間、可愛い司を眺めて心を癒すことにした。
少しすると、司も朝ごはんを食べ終えた。
「「ごちそうさまでした」」
歯を磨いて、顔を洗った。
そして学校へ行くために通学帽子を被り、学生鞄を肩から提げた。
「司ー!行くよー」
「うん!」
司が玄関に向かって廊下を小走りする。
そして今日も俺たちは学校へ行く。
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